ヒルクライムはひたすら坂道を登るわけですが、ちょっとしたコツで楽に登ることができます。まず大切なことは、自分のペースを知り、そのペースを守ることです。平坦地と異なりヒルクライムはどうしても息が上がり気味になります。完全に息が上がりきってしまうと、体は軽い酸欠状態となり回復に時間がかかってしまいます。このため、自分のペースがどのくらいなのか把握しておくことが重要になります。簡単な目安として、会話ができるペースがおすすめです。このペースであれば、息が上がることは避けられるはずです。
ペース配分も重要です。初心者は勾配がきつい部分で頑張り、勾配がゆるい部分で休むケースが多いでしょう。しかしこれではペースが一定になりません。勾配がきつい部分はペースを落とし、勾配がゆるい部分で頑張ってみたほうが、一定のペースで走行していることになり、かえって疲れにくいのです。この点で強い味方になってくれるのが心拍計付きのサイクルコンピューターです。心拍数が一定になるよう走行することにより、疲れないためのペース配分が行えるようになります。
ヒルクライムは漕ぎ方を意識すると疲れ方が違ってきます。初心者は最初に重めのギアで登りはじめ、疲れてくると軽めのギアにシフトチェンジします。しかし疲れた足の回復は、呼吸の回復以上に時間がかかります。つまり最初から軽めのギアでクルクル回転させていたほうが、トータルで考えると疲労を抑えることができるのです。とはいえ、座ったままで長時間ペダルを回転させていると、背筋や腰を伸ばしたくなります。この際にダンシングと呼ばれる立ち漕ぎをしてみるのが良いでしょう。ただしダンシングは、し過ぎると足が酸欠状態になります。一旦酸欠状態になった足は、回復に相当時間がかかってしまうので、ダンシングのし過ぎには要注意です。